サイナスリフトとは、上顎の奥歯の部分に骨が少なく、インプラント治療が不可能な患者さんのための治療法です。サイナスとは、上顎の骨の上部にある空洞をいいます。この空洞の粘膜を持ち上げて骨で充満させることにより、インプラントを植立する骨の高さを得ることをサイナスリフトといいます。では、模式図で説明します。
GBRとは、インプラントを埋め込むのに十分な骨の厚み、幅がない場合、インプラント埋入箇所に骨の再生を促す特殊な膜を入れます。破壊されてしまった歯槽骨を徐々に再生することが可能です。
この方法の特徴は、インプラントの手術開始から2時間後には、インプラントを支えとした仮の歯が入り、すぐに、リンゴを丸かじりすることができることです。例えば、下顎に1本も歯が無い方を従来の方法でインプラントを行った場合、インプラント手術後から、取り外しの総入れ歯を仮の歯として使い、インプラントを支えとした歯が入るまで4ヶ月程度待たねばなりませんでした。入れ歯がいやでインプラントにするのに、しばらく入れ歯の生活が続いてしまうのです。しかし、ノーベルガイドによる即時加重インプラント法では、手術の2時間後には、何でも食べられる、インプラントを支えとした仮の歯が入ります。
ザイゴーマ(Zygoma-tic Implant)とは、頬骨のことです。上顎骨の薄い人にも可能なインプラントですが、現在、日本での臨床例は極めて少ないものといえます。手術中、患者さんの頬の状態は、CTスキャンとX線で完全把握。外科手術ではやや大きめの手術になるため、局所麻酔をかけ、万全の管理体制の中で行われます。
手順は、まずザイゴーマ(インプラント)を埋入する部位の歯肉を切開します。次にインプラント埋入ですが、頬骨まで達する必要があるため、通常のインプラント手術に使われるものよりも長い、50mm前後のインプラントを使用します。その後、カバースクリューを装着し、縫合して終了です。患者さんはその日のうちに帰宅できます。手術後は、5〜6ヶ月かけてチタンと骨との結合を待ちます。